敏感肌とは?

 よく「 敏感肌 」と言われますが、じつは皮膚科学的には 敏感肌 の明確な定義はありません。顔に化粧品を塗った後や、石けんで洗顔した後に、チクチクしたりヒリヒリ焼けるように感じる、お肌がつっぱる感じがするけれど、目にみえる症状が特に見られない状態を 敏感肌 とよぶことが多いです。

  敏感肌 の多くは、健康なお肌に比べ、バリア機能が低下していて、皮脂が少なく乾燥しやすい傾向があります。体調の変化やストレス、冷暖房などの環境、花粉などの季節的要因に敏感に反応して、トラブルが生じやすいお肌です。
  敏感肌 の多くはお肌が乾燥している乾燥肌でもあります。

■お肌の状態は、大きく4つに分けられます。

【疾患肌】
アトピー性皮膚炎や光線過敏症などの皮膚疾患があり、皮膚科での治療を必要とするお肌の状態のことです。

【 敏感肌 】
紫外線、化粧品などの外用剤、外気中のほこりなどで皮膚トラブルを起こしやすく、多くの人には刺激にならない物質に対して敏感に反応してしまうお肌の状態のことです。

【不安定肌】
疲れ、睡眠不足、生理、季節の変わり目、精神的なストレスなどによって刺激に対して一時的にトラブルを起こしやすくなっているお肌の状態のことです。

【健常肌】
健康なお肌です。きめがととのっていてうるおいがあり、ハリ・つや・弾力があります。

  敏感肌 でまず気になるのはお顔まわりですが、腕、足、背中、頭皮などの部位も敏感肌になります。
 特に乾燥しがちな冬には、体のあちこちがかゆくなり掻いてしまう、衣服が擦れて赤くなる、フケや頭のかゆみがいつも以上に気になるなどの症状が起こる場合があります。

■なぜ敏感肌になってしまうのでしょうか

 

 お肌には通常、保湿機能がそなわっていて、お肌の表面は皮脂で覆われています(これを皮脂膜といいます)。また角層細胞の中では、アミノ酸などのNMF(Natural Moisturizing Factor, 天然保湿因子)が水分を抱きかかえ、さらに、角層細胞の間はセラミド(細胞間脂質)がすきまを埋め、水分を保っています。
このお肌の保湿機能は、「皮膚のバリア機能」とよばれ、お肌の乾燥を防ぐとともに、外部からのさまざまな刺激から体をまもる大切な機能です。

 皮膚のバリア機能が低下するとお肌の水分を保つことできなくなるためお肌が乾燥し、外界からの刺激物質、アレルギー物質、細菌などが侵入しやすくなります。

 肌が生まれ変わる「ターンオーバー」は、約28日!
 ターンオーバーが早まってしまうと、十分に成熟していない状態の表皮細胞がお肌の表面に出てきてしまうため、お肌が本来持つバリア機能が発揮されなくなります。そのため、よりお肌が敏感になってしまいます。

 

ターンオーバーとは

 皮膚は表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。
 そして一番上の部分、表皮は上から順に「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つの層から成っています。
 新しい細胞が基底層で生まれ、14日間くらいをかけて徐々に変化しながら上の層に押し上げられていきます。
 角質層まで押し上げられた細胞は、潤いを保持し外部からの刺激に対してのバリア機能を働かせます。

 この期間も約14日間です。
 やがて核の無い死んだ状態(角化細胞)となります。これが角質と言われるものです。
 古くなった角質は、次の新しい細胞に押し出されるように垢(アカ)となって自然に剥がれ落ちます。
 この表皮の細胞が生まれてから剥がれ落ちるまでの新陳代謝をターンオーバーと呼びます。
▼ターンオーバーが遅くなると
 角質がいつまでも剥がれずに表面に留まっている状態。
 固くなってゴワゴワした状態、毛穴詰まりも起こしやすくなっています。
 メラニン色素も沈着しやすくなります。
▼ターンオーバーが早すぎると
 未成熟な細胞が表面に押し上げられた状態になります。
 核を持ったままの状態で、ゴワゴワと潤いのない細胞なのでバリア機能も不十分です。
 乾燥していて、化粧品や紫外線などの刺激にも弱くなっています。
*細胞は角化する時にセラミドなどの保湿成分が生まれます。

■保湿をしましょう

 スキンケアの基本は、お肌を清潔にし(洗浄)、うるおいを与え(保湿)、紫外線からまもる(遮光)ことですが、特に 敏感肌 ・乾燥肌のスキンケアにおいては保湿が重要です。

【洗顔】
 強すぎない洗顔剤で優しく洗うこと、30℃~32℃くらいで1日2回まで、タオルで包み込むようにふき取って下さい

【保湿】
 洗顔後の保湿はとても大事。すぐに化粧水で水分を補い、その後乳液やクリームでフタをしましょう。
 セラミドなど保湿成分が配合された美容液やクリームでしっかり保湿して下さい。

【紫外線対策】
 夏だけではなく、1年中対策は必要です。
 ライフスタイルや季節に応じた対策の仕方を考えましょう。

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